毎日ゴキゲン♪の法則・スピ編

これからは「自分ファースト」で

体は私たちが思うよりきっと賢い☆☆☆


※文庫版あり『体は全部知っている (文春文庫)』(¥480)
20代の頃、吉本ばななブームがあった。その頃は本当に好きで全部買って読んでいたが、ある時期からぷっつり読まなくなった*1
今回、あることがきっかけで久しぶりに読みたくなったので、図書館で借りたのがこの本。読んでよかったな、と思えた。


◆目次◆
みどりのゆび
ボート
西日
黒いあげは
田所さん
小さな魚
ミイラ
明るい夕方
本心
花と嵐と
おやじの味
サウンド・オブ・サイレンス
いいかげん

久しぶりだったので、どこから読めばいいのか全然見当がつかない。作品名がずらりと並んだページから、これならいいかと思って選んだのがこのタイトルだった。

短編集なのだが、何も知らずに読み始めたので、最初はエッセイかと思い、「私」に身の上に起こることは吉本さんに起きているものだと勝手にドキドキしていた。そのくらい文章がリアルだ。


私たちはふだん、頭(=脳)が一番偉いと思っていて、体はその家来くらいにしか考えていないが、本当は体の方がずっと賢いのかもしれない。頭では平気だと思っているのに、熱が出たり体調を崩したことはないだろうか。何となく行きたくないと感じたり、会いたくない人と思う人は、やはり自分には何かの害や危機をもたらすものなのかもしれない。
そういう「体がキャッチする何か」がすべての作品でベースになっている。共通するテーマはそれだけで、あとは本当にジャンルも内容もバラバラだ。

私はパラパラとめくって適当に読み始めてしまったため、最後にもっとも苦手なヘビーな作品が来てしまった。できれば順番に読んだ方がいいかもしれない。
私が好きだったのは「みどりのゆび」と「本心」。特に「みどりのゆび」は私が好きな「キッチン」のサイドストーリーのようで、心が温まった。
2000年に出た本なので、今のよしもとさんの作品とはずいぶん違っているのかもしれないけど。

気軽に読める本。さらに、注意深く読めば体がキャッチするサインを読み取るヒントのようなものもみつかります。

*1:最後に読んだのはたぶん『ハチ公の最後の恋人